Craftsmanship - ハンドメイドが織りなす温もりあるフォルム

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By 藤村 広輔 投稿日: / 最終更新日:

どのブランドよりも早く、18SS 新作として入荷したTOFF & LOADSTONEのバッグたち。前回のブログでは「TOFF&LOADSTONEとは?」と題して記事をアップさせていただきましたが、今回はブランドのアイコンでもある【真鍮鋳物】に関してご説明させていただきます。


鋳物という伝統産業

紀元前3500年頃のメソポタミア時代から始まったとされる、金属を高温で溶かし、型に流し込む加工方法。馬具、蛇口、マンホール、大仏など。これまで様々なものに生かされてきた技術です。

TOFF & LOADSTONEは、真鍮を砂型(※1)で形成する鋳造方法を採用。独特な風合いが出せる反面、非常にアナログで大量生産には不向き。

かつては一部海外メゾンブランドでも真鍮鋳物が使われていましたが、生産性の悪さとコスト高で産業が縮小。現在、日本で作れる工場も数社のみとなっているのが現実です。

※1 → 砂型とは、水を含むと固まる特殊な砂に、金具の種型を埋めて型作り。その後高温の真鍮を流し、固める。最後に手作業で切断&研磨をかける事。


TOFF & LOADSTONEが真鍮鋳物にこだわる理由

生まれながらにして、100年の時を超えるアンティークのような風合いと、色気を奏でる真鍮鋳物。製品に添えた瞬間から、長い歴史を感じさせる重厚さを漂わせ、さらには、バッグが持つ本来の美しさを浮かび上がらせてしまう魔法のパーツ。なんと驚くことにトフ アンド ロードストーンでは、この小さな金具のほとんどをオリジナルでデザインしています。大量生産ができずコストもかかるため、いまではバッグで使われることがほぼ皆無となった真鍮。その古き良き魅力をTOFF & LOADSTONEは守り続けています。

どんなに志が高いブランドであったとしても、コストカットせざるをえない。これは致し方ないこと。コストカットすることで、一人でも多くのお客様の手元へ届ける。当然、届かなければ良さを理解していただくことも出来ず、使用していただくことも出来ない。しかしトフアンドロードストーンズはコストカットという概念自体が無く、細部までこだわり抜いたディテールが魅力です。例えばジッパーにはYKKの最高級エクセラを使用。メインルーム内に使われているジップの持ち手も全て真鍮。更にはショルダーストラップに使用されている金具も全て真鍮を使用するなど、一切妥協していません。


美しさを追求して辿り着いた、ハンドメイドという手法

トフ&ロードストーンのバッグは、革の製造から裁断、縫製、仕上げにいたるまで、どこまでもハンドメイドにこだわっています。小さな金具ひとつ取っても、その精神は息づいています。しかし、最初からそこを目指したのではなく、高みを目指して試行錯誤した結果、細かなニュアンスまで意思疎通ができ、妥協のないものづくりができたのはメイド・イン・ジャパンだったからこそ。さらに美しさを追求していった結果、ハンドメイドへと行き着いたとのことです。

実際、初めてトフアンドロードストーンのバッグを手に持った際に、一番驚いたのは、その”ぬくもり”。オートマチックで作られたものとは全く異なる、”魂のこもったバッグ”と感じた点です。革、縫製、真鍮のパーツ、デザイン。どれを取っても”人”を感じることが出来た。これが”ぬくもり”=”ハンドメイド”なんだと直ぐに理解できました。


機能を超えた新しい価値を求めて

金属を高温で溶かし、型に流し込む加工方法を鋳造(ちゅうぞう)といいます。紀元前3500年頃のメソポタミア時代から始まったとされますが、その頃から使われているのが砂型。トフ&ロードストーンの真鍮は、そんな伝統的な製法を使ってつくられています。水を含むと固まる砂の特性を生かしながら、均等に圧をかけ、何度も修正しながら完成させる気の遠くなるような作業。手間暇をかけることで、機械では真似することのできない美しい曲線が生まれるのです。


砂型だからこそ生まれる曲線美

銅と亜鉛の合金である真鍮は黄銅ともいわれ、ローマ時代にはすでに貨幣がつくられていたといわれています。水に強く腐食が少ないため、現在は主に建築パーツとして使われていますが、ゆえにデザイン性が求められることはほぼありませんでした。トフ&ロードストーンは、鋳造による真鍮づくりにデザイン性を持ち込んだ先駆者。熟練した職人による伝統的な製法と、バッグデザイナーによる洗練のデザインが出会うことで、新たな価値が創造されるのです。

想像してみてください。一つのバッグに備わる真鍮の数は7個程でしょうか。トートやブリーフであれば、底鋲だけで5個備わっています。これらの一つ一つが手作業で作られたもの。一つのバッグを完成させるのにかかる時間は想像以上。デザイナー、職人など多くの人が携わり、丹精込めて作られた一つのアート作品ですよね。


次回以降は、入荷したアイテムを順にご紹介させていただきます。そちらも是非お楽しみに!

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