DIADORA ディアドラ

DIADORA
ディアドラ

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  • 設立年 : 1948年 (創業)
  • 創業/拠点 : イタリア トレヴィーゾ

イタリア共和国成立から2年後の1948年。アメリカの援助を受けて奇跡的な
戦後復興が始まった同時期に、イタリア・ヴェネト州カエラーノ・ディ・サン・
マルコで誕生した「Diadora/ディアドラ」。古代ギリシャ語のディアドレイ
(神より賜れし至上の贈り物、栄光の分け合いという意味がある)に由来し
た社名は、スポーツブランドとしてのアイデンティティにも合致している。ギリ
シャ語にルーツを持つ社名も、さすがルネサンスのイタリアらしい。フィレン
ツェと並ぶルネサンスの中心地であったヴェネツィアからすぐの創業地は、イ
タリアにおけるスポーツシューズの開発や、製造の中心地だった背景があり
、ディアドラも同地の歴史の1ページに記される存在。創業当初は登山用シュ
ーズメーカーとしてスタートし、1970年代からスポーツの世界に特化した事
業展開を開始。ヨーロッパの市場で圧倒的人気のテニスやサッカーのシュー
ズ、ギア製造から始まり、やがて彼らの優秀なモノ作りが評判となって、その
時代のアスリートたちがディアドラの製品を着用していくことに。地元出身の
バロンドーラ―であるロベルト・バッジョ、ローマの貴公子フランチェスコ・ト
ッティ(共にサッカー)を始め、F1のアイルトン・セナ、テニスのビヨン・ボル
グ、ボリス・ベッカー、ジェニファー・カプリアティといった、錚々たる著名選
手がディアドラを着用して、その名は世界に知られるようになっていく。セリ
エA中継中に確認できるD IADORAの看板はもちろん、世界の五大陸をイ
メージした「ファイブボールロゴ」と呼ばれる、5つの黒い丸が並ぶ特徴的な
デザインが印象深いロゴタイプも、世界中で認知されていった。そして現在、
イタリアのプレミアムスポーツブランドとしての地位を確立したディアドラは
、製造拠点を海外から国内へシフトさせるリショアリングを数年前から積極
的に展開。より指向を強めた“イタリアンスタイル”の確立と、MADE IN
ITALYを体現するための体制を整えつつある。

工業デザインの価値創造を世界のどこよりも早く成し遂げた国としてのプライ
ド、世界で最も美しいヴェネツィアの街から受けるインスピレーションなど、イ
タリアの感性と美的感覚が、ディアドラのデザインやディテールを形作ってい
る。同時に、頑固だけどエレガントなイタリアらしいこだわりにも繋がってい
ることを、忘れてはならない。もちろん、選手のパフォーマンスを向上させる
スポーツギアとしての研究・開発にも余念はない。また、脱炭素や資源効率の
向上といった、環境への配慮やサスティナブルな取り組みを企業として積極的
に推進。自社基準のCRD(Centro-Ricerche-Diadora)という環境を
尊重した活動などが認められ、2021年には「Eco Vadisプラチナメダル」を
獲得。世界160か国以上、200業界以上の75,000社の中から、サスティナ
ビリティトップパフォーマーの1%にランクインという、価値ある評価を得てい
る。2021年に一度撤退した日本への再上陸は、アイコニックなパフォーマン
スシューズを「スニーカー・ファッション」の世界に広めるヘリテージラインが
担う。グランドスラムで11度の優勝を飾ったビヨン・ボルグが履いていたテニ
スシューズ、2024年パリ五輪の注目選手のヘリテージモデルなど、目が離せ
ないアイテムがズラリとラインアップされている。オリンピックを前に、1988
年ソウル五輪のマラソン金メダリストである、同社マーケティングディレクタ
ー、ジェリンド・ボルディンへの注目度も高い。